目標

@これまでの物性物理学の中心であった単一物質系における研究を、
異種物質接合や有機分子修飾などの無機・有機複合人工物質系に拡げて研究を行うことで、
従来の枠組みを超えた新しい物性物理学分野を創成することを目指します。
A「バルク材料・薄膜材料」、「無機材料・有機材料」といった従来型の研究分野の括りを超越し、
次世代(スピン)エレクトロニクスの基盤技術を創出することを目指します。





(例1)物質合成:ナノワイヤ

バルク材料から薄膜材料まで様々な物質試料を作製するなかで、特に注目しているのがナノワイヤです。
バルク材料(3次元構造)や薄膜材料(2次元構造)の物質合成は、様々な材料系に対して手法が確立されていますが、
1次元構造を有するナノワイヤ試料の合成手法は一部の半導体試料などに限定されています。
物理において次元性は大変重要ですので、種々の物質系のナノワイヤ試料が得られれば新しい物性機能が開拓できます。
トポロジカル物質を中心とした物性物理材料のナノワイヤ作製とスピントロニクス応用をトライしています。

(例2)物性物理:伝導系材料の圧電効果

圧電効果は、電気エネルギーと機械エネルギーの変換を可能にし、センサやアクチュエータなどに用いられています。
圧電効果は、伝導電子が存在すると著しく弱められるため、これまで絶縁体物質でしか起きないと思われてきました。
我々は、超イオン伝導や磁性といった新しい自由度を付加することで、伝導系材料の圧電効果の開拓を目指しています。
性能の高い伝導系圧電材料が得られれば、電子回路に組み込むことで、新しいエレクトロニクス機能が開拓されます。
【参考文献】"Giant Piezoelectric Response in Superionic Polar Semiconductor"Adv. Electron. Mater. 1800174 (2018)

(例3)スピントロニクス:トポロジカルスピントロニクス

電子の電荷の自由度に加えてスピン自由度を利用するスピントロニクス分野において、スピン流に注目して研究しています。
特に、素子の省電力化に有利な性質を有すると目されるトポロジー概念に基づく新奇スピン流機能の開拓を行っています。
トポロジカル絶縁体などのトポロジカル物質や、ベリー位相に関係した巨大なスピン流-電流変換を利用した
次世代のスピントロニクス素子の開発を目指しています。
【参考文献】“Spin-electricity conversion induced by spin injection into topological insulators”Phys. Rev. Lett. 113, 196601 (2014)